操作された暴落 パーティーをはじめたのは誰?
10月10日夜、米国株暴落しましたね
特に下落の引き金となる報道があったわけではなく、この日発表された米生産者物価指数も予想に近い数字ではありました
9月頭から伸び続け、10月4日には114.54円まで上昇していた米ドルですが最近の米中貿易戦争による不安感や米連銀の2020年までの利上げ継続という姿勢への圧迫要因を抱えていたままの上昇だったことからリスクオフ&損切りの連鎖により投げ売りが発生した模様です
こういった暴落をみるとバンドワゴン効果を初めて読んでゾッとしたのを思い出します
バンドワゴン(楽隊車)が賑やかに進んでいく
心地よい音楽が流れているが思う存分楽しんでいるのはごく少数の人々だ
しだいに音楽は多くの傍観者たちを引きつけてゆき、傍観者たちは甘い音楽に抗することができず、盛り上がっているように見えるパーティーに飛び込んでいく
傍観者が次々とバンドワゴンの後ろに参加していくなかで、当初パーティーの始まりを楽しんでいた人々は離れていく
後からパーティーに参加してくる人々が増えてくるに従って、バンドワゴンは同じペースで前へ進むことが困難になってくる
バンドワゴンの進行速度が遅くなり、傍観者のさらなる参加を可能にする
群衆は更に大きくなり群衆に囲まれたバンドワゴンは完全に停止する
しかしバンドワゴンの本分は前に進むことであり、この停止した状態は長続きするものではない
バンドワゴンは前に進むことができない、バンドワゴンを取り巻く群衆の数が多すぎる
バンドワゴンは何とかこの重荷を振り払わなければならない
そう、バンドワゴンはバックし数人をなぎ倒すのだ
音楽が鳴り止む・・・ 群衆に困惑した顔が見える
何が起こっているかわからないうちに再びワゴンは先程よりも乱暴にバックする
さらに多くの人々が放り出され現実が目の当たりになる
突如として饗宴は悪夢に変わり、パニックが生じる
ある者はバンドワゴンから飛び降り死んでしまう、酔っ払って地面に投げつけられる人々も この時点でわずかな熱狂的なバンドワゴンファンのみがつかまっている
バンドワゴンはアクセルを全開にする
この最後のバックはあまりにも荒々しく、最後までバンドワゴンにしがみついていた人々は振り落とされ地面に叩きつけられて重症を負ってしまう
・・・・
この時点で新たな傍観者の一郡がどこからともなく現れる
彼らは酔っ払っておらず、平静である
彼らの一挙手一投足は今しがたの惨劇に関わっていなかったのか、力強くはっきりとしたものである
彼らは誰なのか・・・
その新しく見える一群は決して新しい顔ぶれではなかった
その一群はパーティーが荒れ狂う前に静かにその場を離れていった人々だったのである
倒れている傍観者達はさらに衝撃的な事実を知る
彼らはパーティーの最初の頃に参加していただけではなくパーティーを初めた人々であったのである
そして彼らは一瞬にしてバンドワゴンに飛び乗り前進するのである
しばらくいくとこれらの達人の中の誰かがスイッチを入れる
すると再び楽しげな音楽が大音量で流れ出すのである
マーケットの機能に関する深い洞察、そしていかにウォール街の賢人たちが利益を操作しているか理解するにはこの話のアナロジーを一言一句理解する必要がある
何度でも読み返そうと思います
- 作者: オリバーベレス,グレッグカプラ,Oliver Velez,Greg Capra,林康史,藤野隆太
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